姫野 佳 発達 障害。 「発達障害」取材した私も「当事者」だった…「生きづらさ」受け止める社会を願う

姫野桂著『発達障害グレーゾーン』

姫野 佳 発達 障害

フリーライターの姫野桂さん。 現在は週刊誌やWebなどで執筆中。 姫野桂(以下、姫野):世間でうつ病が認知されたこともあって心の病を扱う精神科・心療内科が一般化しました。 発達障害に起因する悩みや、二次障害の兆候(うつ病や双極性障害)を専門家に相談しやすくなった点があると思います。 一番大きいのは、NHKが特番で発達障害を何度か取り上げたことです。 あとは栗原類さんのような芸能人の方が、発達障害を公表したことも大きく影響しているのではないでしょうか。 うつ病は病気として認知される前は「ただの怠け者」や「甘え」のように思われがちでした。 発達障害に見られる注意力や協調性に難がある特徴も、本人の性格の問題として捉えられていました。 近年ようやく、それらは生まれつきの脳の特性によるものだと理解されるようになってきたのかな、と思います。 それから精神科医の岩波明さんの著書をはじめ、発達障害に関する情報を集めるうちに興味が湧いてきました。 一般的に発達障害は、ADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)の3つに分類されます。 注意欠陥が多く集中力散漫、衝動的な傾向が見られるADHD。 コミュケーションが特徴的だったり、興味の対象が限定的な傾向にあるASD。 先天的な特性によって基本的な読み書きや計算が困難なLD。 たいていの場合はこれらが併存しています。 ちなみにLDは、知的障害と誤認されがちですが、知的な問題はなく、他の教科はできるのに暗算だけができない、漢字だけが覚えられないといった部分的な特性があります。 漢字が覚えられない場合、部首の色分けをした教材を使うなど、工夫すればできる場合もあります。 知的障害だと、他のジャンルの教科も同じくらい能力が低いです。 また、LDは日常生活に特に影響を及ぼしていない場合、気づかないこともあると当事者から聞きました。 これはTwitterで見て知った話なんですけど、発達障害のことを恋人に伝えたら、以降LINEが全部ひらがなで送られるようになったという。 実は特性がバラバラだということはあまり知られていなくて偏見も多いのが現状です。 取材相手の方はどのように探したのですか? 姫野:おもにTwitterを利用して取材を受けて下さる方を探しました。 最初は当事者が見つかるのか不安でしたが、募集をかけたツイートがすぐに拡散されるなど、当事者探しにはそこまで苦労しませんでした。 自分から取材を希望してくる方もいました。 ただ連載をするにあたり、いろいろな状況の当事者を取材したほうが多くの方に届けられるのではないかと思いました。 それで条件を設けて募集をかけました。 例えば、当事者同士の夫婦とか、吃音症など認知度の低い障害も併存している方とか。 あとは取材した方に他の方を紹介してもらうこともありました。 社会人になって間もない若者が仕事の困難に直面して、発達障害を疑って診断を受けるケースが多いからでしょうね。 でも発達障害が若者にしか見られない傾向かといえば、そうではありません。 産業医の方のお話によれば、40代や50代ともなると、ある程度の社会的地位もあり、周囲からも「そういう人」として接されている人が多いです。 なので、周囲に馴染めず悩んだり、障害を指摘される機会が少なくなります。 急な環境の変化がない限りは自覚しないまま生活が送れるということです。 取材では心療内科の先生を真似て傾聴の姿勢を心がけました。 特にASDの方だと自分の言いたいことだけを述べる傾向、ADHDで衝動性の強い方だと自分の主張をどんどん展開していく方がいるので、こちらの質問と噛み合わないこともあります。 なので、とにかく聞く側に徹します。 その上で、話の中で自然とわいてきた疑問に対して質問を投げるようにしました。 「この人は二次障害でうつ病もあるから」とか、妙な気遣いはしなかったですね。

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発達障害かも?と思ったら「ゲーム感覚で人生の作戦を立てればいい」 ライター・姫野桂さんに聞く「生きづらい人」の生存戦略

姫野 佳 発達 障害

昨日、発達障害当事者であり、細かなところにも目が行く特性を活かして校閲のお仕事もされている(『発達障害グレーゾーン』の校閲もしていただきました)とサシ飲みし、いろいろお話しました。 そこで、WASIの結果のお話に。 言語性IQが130近かったのに動作性IQが100前後だったという当事者のお話をたまに聞きます。 (人のIQの平均は100前後で、諸説ありますが、東大生のIQの平均は120以上と言われています)私自身、言語を扱う仕事をしているからか言語性>動作性でしたが、130もあるような高IQではなく、ごく平均でした。 他にも、発達障害を公表している作家さんで言語性が100なかったという方を知っています。 これはこーさんの推測ですが、言語性IQが高いからといって文章力や文章をまとめる力があるのではない、文章力と表現力は違うのではないかと。 商業出版となると、客観性や構成力、読者を引き込ませるコツ、ノンフィクションだと取材力やエビデンスなど、文章力以外の点でも重要になってくるところがあります。 そして、編集さんとのコミュニケーションや、信頼関係を築くスキルも必要です。 また、でもインタビューにご協力いただいた精神科医、西脇先生曰く「WAISは単なるIQ検査にすぎない」とのこと。 全体のIQと言語性IQ、動作性IQが出て、そこからさらに細かいジャンルのIQが出て、その差が大きいと発達障害の傾向があるとされ、生きづらさを感じる方が出てきます。 当事者の中には「総合的なIQが130後半だった!」と自慢げに語る方がいます。 それは事実として受け止めていいと思います。 人よりも頭の回転が速いのだと自信をもっていいです。 ただ、それを当事者同士、または定型発達の人とのマウンティングに利用すると嫌われてしまいます。 ASDでその場の雰囲気を読むのが苦手だったり、ADHDの衝動性がある方は、「俺、高IQだぜ!」と自慢したくなるかもしれません。 でも、できるだけそれは控えたほうが人間関係がうまくいくのではないでしょうか。

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診断がおりずに苦しむ人がいる。姫野桂 著『発達障害グレーゾーン』

姫野 佳 発達 障害

昨日、発達障害当事者であり、細かなところにも目が行く特性を活かして校閲のお仕事もされている(『発達障害グレーゾーン』の校閲もしていただきました)とサシ飲みし、いろいろお話しました。 そこで、WASIの結果のお話に。 言語性IQが130近かったのに動作性IQが100前後だったという当事者のお話をたまに聞きます。 (人のIQの平均は100前後で、諸説ありますが、東大生のIQの平均は120以上と言われています)私自身、言語を扱う仕事をしているからか言語性>動作性でしたが、130もあるような高IQではなく、ごく平均でした。 他にも、発達障害を公表している作家さんで言語性が100なかったという方を知っています。 これはこーさんの推測ですが、言語性IQが高いからといって文章力や文章をまとめる力があるのではない、文章力と表現力は違うのではないかと。 商業出版となると、客観性や構成力、読者を引き込ませるコツ、ノンフィクションだと取材力やエビデンスなど、文章力以外の点でも重要になってくるところがあります。 そして、編集さんとのコミュニケーションや、信頼関係を築くスキルも必要です。 また、でもインタビューにご協力いただいた精神科医、西脇先生曰く「WAISは単なるIQ検査にすぎない」とのこと。 全体のIQと言語性IQ、動作性IQが出て、そこからさらに細かいジャンルのIQが出て、その差が大きいと発達障害の傾向があるとされ、生きづらさを感じる方が出てきます。 当事者の中には「総合的なIQが130後半だった!」と自慢げに語る方がいます。 それは事実として受け止めていいと思います。 人よりも頭の回転が速いのだと自信をもっていいです。 ただ、それを当事者同士、または定型発達の人とのマウンティングに利用すると嫌われてしまいます。 ASDでその場の雰囲気を読むのが苦手だったり、ADHDの衝動性がある方は、「俺、高IQだぜ!」と自慢したくなるかもしれません。 でも、できるだけそれは控えたほうが人間関係がうまくいくのではないでしょうか。

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