バンド ギャップ エネルギー。 「バンドギャップの大きさは何で決まる?」

バンドギャップの求め方

バンド ギャップ エネルギー

前回の復習 固体中の電子の波動関数は、結晶格子の周期を持つ関数と振動成分の積からなるブロッホ関数で記述される。 また、その電子のエネルギーは波数に依存するが、そのエネルギーは連続ではなく、波の周期がイオンの格子に一致するときに電子の波は反射され定在波となる。 このとき、負の電荷が集中している定在波の腹が格子上に位置する場合と格子間に位置する場合では同じ波数でもエネルギーが異なる。 これがバンドギャップの存在する一番単純な説明である。 バンド分散図は、第一ブリルアンゾーンの内部について、ある電子軌道に属する電子の波数とエネルギーの関係を示したものである。 エネルギーの小さい軌道から2個ずつ価電子を収納していき、単位胞当たりの価電子数がすべて収納されたエネルギーがフェルミエネルギーとなる。 多くの物質では、バンド構造から物質の伝導性、つまり絶縁体であるか金属であるかを区別することができる。 つまり、収納された電子数が2ないしは0個の軌道だけである場合が絶縁体であり、1個の電子を収納した軌道を持つ物質が金属なのである。 バンドギャップの大きさは何で決まる? バンドギャップが広い半導体、ワイドギャップ半導体は、バンドギャップが室温に相当するエネルギーより十分に大きいので、室温でも価電子からキャリアの熱活性がほとんど起こらないために、意図しない電流(OFF電流)が小さく、省電力デバイスとして注目されている。 ところで、どんな物質でバンドギャップが広くなるのだろうか?ワイドギャップ半導体として知られている物質を挙げていくと、SiC, GaN, Ga2O3となる。 これらの物質に共通点はあるのだろうか? なんとなく、軽元素からなる物質が多いように思える。 しかし、これは地上における含有度が多い元素を抽出しているので、このようになるともいえなくもない。 他にどんな共通点があるだろうか?結晶構造?配位数? 異なる元素が同一の結晶構造を組む場合において、バンドギャップを比較してみる。 たとえば、ダイヤモンド構造をとるC、Si、Ge では、それぞれ、5. 5, 1. 1, 0. 67 eVであり、原子が重くなるほどバンドギャップは小さくなっている。 これは間違いないだろう。 ダイヤモンド構造物質では、価電子帯は一つのs軌道と3つのp軌道が混成したsp3混成軌道を、配位する4原子と共有して化学結合をつくっている。 隣の原子から逆向きスピンの電子を1個ずつ借りてきて同じ軌道に入ってもらうことによって、原子間における電子の存在確率を高め、結合によるエネルギーを稼いでいる(結合軌道)。 ダイヤモンド構造(上)閃亜鉛構造(中)ウルツァイト構造(下)の結晶構造。 赤色がO 化合物半導体に目を転じてみよう。 青色LEDで有名内GaNはやはり4面体配位のウルツ鉱構造であり、局所的にはダイヤモンド構造を2種の原子で表現した閃亜鉛型構造と同一である。 Nを周期律表の下の元素であるP, Asと変えていくとバンドギャップはどうなるであろうか? GaN, GaP, GaAsのバンドギャップはそれぞれ3. 4, 2. 3, 1. 4 eVと周期に従って減少していく。 やはり元素が軽くなるほどバンドギャップは大きいのである。 統計物理学では、固体の熱容量を正確に説明するモデルとして、デバイモデルを取り扱ったことを覚えているだろうか?このデバイモデルで導入したデバイ振動数は、格子振動の振動数の上限であるが、これもどのように決まるのであろうか? 今回の講義の前半では、弱い周期的なポテンシャル中の自由な電子を考え、ブリルアンゾーン境界においてエネルギー分散関係にギャップが生じることを解説する。 バンド分散の計算方法 固体中の電子のエネルギーと波数ベクトルの関係(バンド分散)はもっとも単純な近似として、自由電子モデルから計算できる。 1次元の場合と3次元ブラベー格子の場合について、テキストに示されている。 もっとも、ここで周期的ポテンシャルが入っていないので、バンドギャップは存在しない。 そもそも我々は、自由電子ガスで金属の電気伝導が記述できないことは簡単に想像がつく。 電子を古典的な荷電粒子として扱うDrudeモデルが幸運にできすぎている。 パウリの排他律に従うフェルミ気体だとして考えても、矛盾はあまり解消しない。 やはり、原子に局在する電子と遍歴する電子を区別して、電気伝導を考察する必要がある。 物質の電気的性質を説明するためには、ゾーン境界に生じるバンドギャップだけでなく、分散関係自身も重要である。 たとえば、分散関係の曲率から有効質量が得られるからである。 分散関係を計算する方法として、もっとも単純な方法は、電子が原子に局在している状況から出発して原子間に遍歴するブロッホ電子を構成する強結合近似である。 強結合近似では、孤立する原子における各軌道の電子の波動関数の重ねあわせを考える。 電気伝導に最も重要なのは、最外殻電子であるが、主量子数がもっとも大きな軌道ではなく、最後に電子が入った軌道と考えたほうがよい。 つまり、s軌道の電子ばかりでなく、p軌道やd軌道の電子も伝導に関与する。 軌道の重ね合わせの量子論的な考え方については、筆者が工学研究科で講義をおこなっており、分子が結合する原理について説明する。 次に、 摂動法(ウィグナーサイツ法)を挙げる。 これは、シュレーディンガー方程式にブロッホ関数を作用させると、結晶格子の周期関数についての固有方程式が得られる。 この固有方程式のハミルトニアンは、元のシュレーディンガー方程式のハミルトニアンと比較して、運動量の項がブロッホ電子の波数分だけ(わずかに)変化しているので、摂動として取り扱うことができる。 最後に、疑ポテンシャル法を説明する。 疑ポテンシャル法は、強結合近似とは逆の考え方であり、価電子だけに注目して、原子核を含めた内殻電子からのポテンシャルを感じているとする方法である。 この方法は、効率的な計算手法の一つとして考えられているため、厳密な意味では、さまざまな問題を含んでいる。 たとえば、内殻電子をどこまで取るかという点に任意性があるほか、内殻電子に励起が起こる場合についてもカバーできていない。

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1. 半導体の性質 :半導体の部屋:日立ハイテク

バンド ギャップ エネルギー

半導体におけるバンドギャップ [ ] 電子がバンドギャップを越えてとの間をするには、バンドギャップ幅以上の大きさのエネルギー(や)を吸収または放出する必要がある。 においてはこのようなバンドギャップ周辺での電子の遷移を制御することによって、様々な機能を実現している。 バンドギャップは上におけるバンド間の隙間であるため、バンドギャップを越えて遷移するには、エネルギー E だけでなく、波数 k も合わせる必要がある。 波数が変化しない遷移()ならばだけで遷移可能である。 波数が異なる遷移()の場合、との相互作用を介する遷移となる。 バンドギャップが大きい物質は光子によって電子が励起されにくくそのまま光子が通過するため、可視光波長域のエネルギー以上に大きなバンドギャップを持つ物質は透明になる。 バンドギャップの大きさ(禁制帯幅)を表す単位としては通常、 eV が用いられる。 例えばのバンドギャップは約1. 2eV、では約1. 4eV、のでは約3. 4eVである。 物質内部で伝導に寄与する全電子のポテンシャルエネルギーが1eV変化することは、物質全体の電位が1V変化することに相当する。 バンドギャップの大きさは、などを動作させる時に必要な印加電圧に大きく影響する。 たとえばシリコンのは通常0. 6~0. 7V程度で動作するが、窒化ガリウムの青色を動作させるには、3Vを越える電圧を供給する必要がある(の項も参照)。 類義語 [ ] 似た用語としてエネルギーギャップ Energy gap がある。 固体電子論()では、バンド構造におけるバンドとバンドの間の隙間を指す(広義のバンドギャップとほぼ同じ意味合いとなる)が、それ以外の意味をもつ場合がある(例:におけるエネルギーギャップなど)。 理論計算 [ ] におけるでは、バンドギャップは実験値と比べると常に過小評価され、実験値と一致しない(例:のバンドギャップの実験値は、1. 17 、これに対しにおけるバンドギャップは、0. 4~0. この過小評価の問題を解決する方法()としては、、などがある。 温度による影響 [ ] 半導体のバンドギャップエネルギーは温度が上昇することで減少する傾向がある。 温度が上昇する際、原子振動の振幅が増加し、原子同士の間隔がより大きくなる。 格子のおよび自由電子、正孔における相互作用もまた、より小さな範囲でバンドギャップに影響を及ぼす。 バンドギャップと温度の関係はVarshniのによって記述される。 フェルミ準位が1 eVのバンドギャップ中にあるならば、25. バンドギャップの一覧 [ ] 素材 分子記号 バンドギャップ (302) 出典 Si 1. 11 Se 1. 74 Ge 0. 67 SiC 2. 86 AlP 2. 45 AlAs 2. 16 AlSb 1. 6 AlN 6. 3 C 5. 5 GaP 2. 26 GaAs 1. 43 GaN 3. 5~4. 9 GaS 2. 5 GaSb 0. 7 InN 0. 7 InP 1. 35 InAs 0. 36 ZnO 3. 37 ZnS 3. 6 ZnSe 2. 7 ZnTe 2. 25 CdS 2. 42 CdSe 1. 73 CdTe 1. 49 PbS 0. 37 PbSe 0. 27 PbTe 0. 29 CuO 1. 2 Cu 2O 2. 1 出典 [ ]• Unlu 1992. Solid State Electronics 35: 1343—1352. ; Sanjay Banerjee 2000. Solid State electronic Devices 5th ed. New Jersey: Prentice Hall. 524. Wu, J. 2002. Applied Physics Letters 80: 3967. Madelung, Otfried 1996. Semiconductors - Basic Data 2nd rev. Springer-Verlag. Elliott, R. 1961. Physical Review 124: 340. Baumeister, P. 1961. Physical Review 121. 関連項目 [ ]•

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半導体におけるバンドギャップ [ ] 電子がバンドギャップを越えてとの間をするには、バンドギャップ幅以上の大きさのエネルギー(や)を吸収または放出する必要がある。 においてはこのようなバンドギャップ周辺での電子の遷移を制御することによって、様々な機能を実現している。 バンドギャップは上におけるバンド間の隙間であるため、バンドギャップを越えて遷移するには、エネルギー E だけでなく、波数 k も合わせる必要がある。 波数が変化しない遷移()ならばだけで遷移可能である。 波数が異なる遷移()の場合、との相互作用を介する遷移となる。 バンドギャップが大きい物質は光子によって電子が励起されにくくそのまま光子が通過するため、可視光波長域のエネルギー以上に大きなバンドギャップを持つ物質は透明になる。 バンドギャップの大きさ(禁制帯幅)を表す単位としては通常、 eV が用いられる。 例えばのバンドギャップは約1. 2eV、では約1. 4eV、のでは約3. 4eVである。 物質内部で伝導に寄与する全電子のポテンシャルエネルギーが1eV変化することは、物質全体の電位が1V変化することに相当する。 バンドギャップの大きさは、などを動作させる時に必要な印加電圧に大きく影響する。 たとえばシリコンのは通常0. 6~0. 7V程度で動作するが、窒化ガリウムの青色を動作させるには、3Vを越える電圧を供給する必要がある(の項も参照)。 類義語 [ ] 似た用語としてエネルギーギャップ Energy gap がある。 固体電子論()では、バンド構造におけるバンドとバンドの間の隙間を指す(広義のバンドギャップとほぼ同じ意味合いとなる)が、それ以外の意味をもつ場合がある(例:におけるエネルギーギャップなど)。 理論計算 [ ] におけるでは、バンドギャップは実験値と比べると常に過小評価され、実験値と一致しない(例:のバンドギャップの実験値は、1. 17 、これに対しにおけるバンドギャップは、0. 4~0. この過小評価の問題を解決する方法()としては、、などがある。 温度による影響 [ ] 半導体のバンドギャップエネルギーは温度が上昇することで減少する傾向がある。 温度が上昇する際、原子振動の振幅が増加し、原子同士の間隔がより大きくなる。 格子のおよび自由電子、正孔における相互作用もまた、より小さな範囲でバンドギャップに影響を及ぼす。 バンドギャップと温度の関係はVarshniのによって記述される。 フェルミ準位が1 eVのバンドギャップ中にあるならば、25. バンドギャップの一覧 [ ] 素材 分子記号 バンドギャップ (302) 出典 Si 1. 11 Se 1. 74 Ge 0. 67 SiC 2. 86 AlP 2. 45 AlAs 2. 16 AlSb 1. 6 AlN 6. 3 C 5. 5 GaP 2. 26 GaAs 1. 43 GaN 3. 5~4. 9 GaS 2. 5 GaSb 0. 7 InN 0. 7 InP 1. 35 InAs 0. 36 ZnO 3. 37 ZnS 3. 6 ZnSe 2. 7 ZnTe 2. 25 CdS 2. 42 CdSe 1. 73 CdTe 1. 49 PbS 0. 37 PbSe 0. 27 PbTe 0. 29 CuO 1. 2 Cu 2O 2. 1 出典 [ ]• Unlu 1992. Solid State Electronics 35: 1343—1352. ; Sanjay Banerjee 2000. Solid State electronic Devices 5th ed. New Jersey: Prentice Hall. 524. Wu, J. 2002. Applied Physics Letters 80: 3967. Madelung, Otfried 1996. Semiconductors - Basic Data 2nd rev. Springer-Verlag. Elliott, R. 1961. Physical Review 124: 340. Baumeister, P. 1961. Physical Review 121. 関連項目 [ ]•

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